【製造業苦境の元凶は奇妙な会計基準にあり】「研究開発費」の資産計上を再開せよ。 2006年度の会計基準の改正により、研究開発費の資産計上が困難となった。
このことは、製造業にとっての生命線である「研究開発部門」が「コスト・センター」に転落したことを意味する。その結果、企業経営者はR&D部門の合理化・効率化を株主から求められるようになり、自らもそれを経営指針に加える経営者が続出した。その結果、半導体や製薬などの分野において、研究開発部門の縮小・リストラが横行し、我が国の一流企業の研究所から、我が国の産業を支える”虎の子の人材”が、大量に海外に流出することとなるに至った。
一方で、無駄になることが確定した研究など、費用処理が望ましいものもあるので、現行の繰延資産についても、ASBJの「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」において、「支出の効果が期待されなくなった繰延資産は、その未償却残高を一時に償却」とあるように、現行の一般管理費での費用処理も認めつつ、IFRSと同様の無形固定資産への計上を認めるのが適切である。
※なお、我が国のGDPの計算は2015年度の第2四半期の第二次速報値より、国際基準に合わせて資産計上となっている。