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ドイツを掌握し、第二次世界大戦を引き起こしたナチス。第一次世界大戦に敗れ、閉塞感に包まれていたドイツにおいて、ナチスの存在は政党の枠組みを超えていました。それはまるでカルト宗教にも似たような思想体系であり、ナチズムという名の教義は多くの国民から熱狂的な支持を得たのです。

そんな「ナチスの教義」に大きく関わっていたのが「ハインリヒ・ヒムラー」です。ヒムラーは、総統アドルフ・ヒトラーを護衛する組織「（SS）親衛隊」のトップであると同時に、ナチスの宗教化をを決定づけた重要人物でもありました。

オカルト信仰者だったヒムラーは、ナチスの掲げるアーリア人至上主義をもとに、研究機関「アーネンエルベ」を設立。かつてアーリア人が世界を支配した歴史を証明するための研究を進め、古代文字であるルーン文字の教育のほか、「キリスト教の聖杯は古代アーリア宗教から強奪されたもの」として聖杯の探索も命じたそうです。

また、ヒムラーは古城ヴェーヴェルスブルクをナチスドイツの霊的な中枢と定めたほか、ゲルマン神話にもとづく祭事を取り入れるなど、過去の伝説や儀式を混在させて独自の信仰を築き上げていったと言われています。