味噌でがんを予防する!味噌の医学的な効果がすごすぎる「みそは医者いらず」という言い伝えがあります。昔からみそにまつわることわざがたくさんあり、みそと健康を結びつけたものが少なくありません。昔の人は、経験的にみその高い栄養価を知っていたようです。
そして現在、みそは栄養学や医学の面からさまざまな研究が進められ、その成果も次々と発表されています。それらの研究論文を中心にして「みそと健康」について紹介しましょう。
1.みそに含まれる主な栄養成分
みその原料である大豆は、発酵によって大豆にはない、または、あっても少量のアミノ酸やビタミン類が多量に生成され、栄養価はさらに優れたものになっています。また、大豆のたんぱく質は酵素によって分解されて水溶化され、その一部はアミノ酸となります。その中には生命を維持するために不可欠な必須アミノ酸8種類がすべて含まれています。
上記の成分のほかに、ビタミン(B1・B2・B6・B12・E・K・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ピオチン)、無機質(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム、リン・鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデン)、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維などが含まれています。
現在では、みそと健康についての研究は多角的に行われています。みその機能性を明らかにした論文の主なものは以下のとおりです。
①みそはがんのリスクを下げる
•1日3杯以上のみそ汁で乳がんの発生率が40%減少(厚生労働省研究班 2003年)
•みその塩分は胃がんを促進しない(広島大学・渡邊敦光名誉教授 2006年)
•喫煙者が毎日みそ汁を飲むと死亡率は低下する(国立がんセンター・故平山雄博士 1981年)
②みそは生活習慣病のリスクを下げる
•みそは脳卒中、痴呆症、心臓疾患などの発症を低下させる(大妻女子大学・青木宏教授 1994年)
•みそ汁のある食事パターンが骨粗鬆症に効果(㈶癌研究会付属病院・陳瑞東医長 1994年)
•糖尿病の改善が期待される、みその褐色色素(女子栄養大学・五明紀春教授 1999年)
③みそは老化を防止
•発酵によってみそに老化制御機能が生まれる(東京農業大学・小泉武夫教授 1995年)
•みそは熟成過程で抗酸化力を高める物質が生まれる(東京大学名誉教授・大妻女子大学・加藤博通教授 1994年)
④その他の研究
•みそには血圧低下作用をもつ物質がある(食品総合研究所・河村幸雄室長 1993年)
•みそには美白効果がある(食品総合研究所・新本洋士主任研究官 1997年)