映像の世紀 #10民族の悲劇果てしなく
絶え間ない戦火、さまよう民の慟哭があった
現在地球上には3,000万人にも及ぶ難民が存在する。冷戦終結、ソ連崩壊後に世界に再燃した民族紛争や内戦は、再び膨大な数の難民を生み出している。難民問題は、植民地支配に対する民族運動の勃興、2度の世界大戦、社会主義国家の誕生と衰退などに端を発してあり、20世紀始まって以来の最大の課題と言える。
ロシア帝国崩壊と共に苦境に立たされたロシア難民、ナチスに虐殺されたユダヤ難民、そのユダヤ人に追放されたパレスチナ難民、大国の代理戦争にまきこまれたインドシナ難民、旧ユーゴスラビアにおける民族の対立など、絶えることのない民族対立の悲劇を伝える。