ORIGAMI SONG袖のほつれをこじらせながら思い起こすのは
昨日エッシャーの国に忘れてきた純真が水路から流れ出られなくなったままなこと
さかむけを噛み濁音でくるんで吐く
咳き込んだのは嘘
君の視線がくすぐったいふりで眉を掻く
僕は視線をそらす
時計の遅れに気付いちゃったけど
もう少しだけ黙っておこう
天の川銀河を折り紙にしてその小部屋は作られた
永遠の多重録音の最深部のドアの向こうで
子供たちは思い付きで服を脱いで
その着想の心許なさに裏付けを積み上げていく
ドアの鍵穴からサラサラと命の素粒子がこぼれ出し
何億もの大質量恒星が左手に持つコーヒーカップに溶け
超凡な距離を隔ててると思ってた僕らは
同じブラックホールの肥やしになりそうだけど
もう少しだけ黙っておこう