観測者の伝達 95 攪拌された状態が続く香港の引き渡し協定完全撤回の動きは、11日に予定されている一帯一路サミットに向けて、これ以上の混乱常態を継続させることは不利だと捉えた中共が、一旦は退いてみせたという典型的な尺取り虫戦術だろうとわたしはとらえる。
だからこれからの動きにおいては、香港の今回のデモに参加したとされる連中を、国内不安を醸成したとでも言える理由をつけて、徹底的に逮捕投獄に近い動きをしなければ、中国共産党内部の各部署のキャラのメンツが立たない。
中共の人間システムに置いては、そうした弱みと取られる動きを見せると、本当に下からその座を狙われて追い落とされる。 だからこれからの動きが大変だ。
そして今回の動きはどうであれ結果として中共が負けた形になるので、今は平静さを保っている習近平政権とその関係者への風当たりが相当強まる。 おそらく米中貿易協議の失敗という名目でつめばらを切られた王岐山副主席の様な動きがこれから中共の内部で出てくるのではないかとわたしはこれからの動きを観察している。
わたしは今の中国人達が、ウィグル、つまり新疆自治区の人々に対して、どんな非人間的な扱いをしてもそれが当然だという解釈をどうやら多数派になっているようだという見極めが取れてから、もう中国は助からないのだなという思いを強くしている。 理由もなく空気のように他者を差別支配コントロールする勢力を地球はもう許さないからだ。 証拠の提示はできないが。 それはエネルギーなるものの非常なる不均衡と偏在をもたらすから、という言葉は一応おいておく。
香港が一旦は収束してみせるとでは中共は何処で失点を挽回するか。 どうしても次は台湾とその周辺海域( 南シナ海) になっていくのかなあと今のわたしは考える。 そしてそれらの流れの中、冬至を過ぎて北朝鮮がどうしても国家がもたないのでおかしな冒険主義を開始する可能性だ。 今度の台風がまともに朝鮮半島南北を縦断するコースになっているということは、おそらく北朝鮮の農作物に致命的な打撃を当たえるだろう。 配給が滞る。 そして奴隷労働者が帰国するのだ。
余剰兵力を外に向かわせるのはどの国もやってきたことなのである。
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そして清王朝の債権の事案をこの時点で持ってくることの意味だ。 これは爆弾になる。 中共がこれを認めないのなら、そもそも彼らは中華民国の継承国家として国連の常任理事国につかせてもらえたのだから、ここから降りなければならない。 そして大英帝国は清朝からもぎ取った中共に変換する理由がなくなる。 中共が清朝を継承していないということになるのだから、香港は中華民国である台湾に変換しなくてはならない事になる。
帰属が変わる。 しかし国際法においてそうした文言が決まっていても、力のある国はそれを無視するのが常なのだから、中共がそれに応じる訳もない。 ただこれらの動きは短期中期における中国なるものの国家商品価値を棄損することになる。
そして継承国家問題でいうのなら、大韓民国は李氏朝鮮を継承していない。 わたしにはその様にしか解釈できない。 大韓帝国の継承者になっていないからだ、今の韓国=大韓民国は。
そうした事の今まで隠されたきたことが表に浮かび上がる流れになっているのだと取りえあえずいっておく。
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形はどうであれ、香港の今回の動きは中国共産党のメンツをつぶした。 彼らは11日の一帯一路サミットを何としても成功させなければならなかったので、ここで戦術的撤退をしてみせた。 しかし香港担当部署の上級共産党員、そして大きくは習近平主席の国内統治への手腕への疑問視の増大につながる今の動きをこのまま放置することはあり得ないとわたしはとる。
だからとにかくサミットだ。 そしてそれが終わってからどうなるかだ。 なので香港のデモをけん引している連中は、大きくはそのサミットを中止に追い込むことを含める輸送機関拠点の占拠を通じての抗議活動を更に加速させる可能性がある。
そこまでいくとやっぱり中共は武力介入せざるを得なくなる。 事態は解決に向かったのではなく、より大きな事象を呼び込むステージに移動しただけの様な気がしてならない。