戦略的忍耐のバイデン政権では尖閣の中国海警船は止められない! K戦略的忍耐のオバマと同路線のバイデンでは、中国は尖閣からいなくならない!
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抗議と同時に習政権に理解を示したバイデン大統領
2021.2.24(水)古森 義久
米国のバイデン大統領が中国共産党政権の独裁や弾圧に対して「それぞれの国の文化」と述べて理解を示唆したことが、米国内で激しい反発の波紋を広げている。
中国の習近平国家主席と電話会談をした直後の発言だったこともあり、同大統領が中国に対してトランプ前大統領とはまったく異なる融和の認識を抱いていることの例証とも受け取られている。
(関連)「戦略的忍耐」は、オバマの美しい空言でした。
オバマの失策と米財務省の焦り 手嶋 龍一
清野:北朝鮮のインテリジェンス能力は高い。なんか、北朝鮮を「ヘンな国」として、みくびる意識を持ちがちですので。
手嶋:残念ながら、北朝鮮は核ミサイルの開発プロセスでは、読み誤っていないでしょう。米国が中東での戦争に、持てる力のすべてを注いでいる現状では、超大国といえども北朝鮮とコトを構える余裕はないと、北の独裁者は知ってたのですから。
清野:そうした構図は、米朝トップ会談が取りざたされるようになった今も変わっていないのでしょうか。
手嶋:大きな流れは変わっていません。北朝鮮は、米国を射程に入れた核・ミサイルを早期に完成させて、体制護持の守り札にしようとしているのです。
清野:手嶋さんに教えていただく中で、今更ながらに調べてびっくりしたことが、もう一つあります。北朝鮮と国交を結んでいる国って、世界で160カ国以上もあるんですね。
手嶋:日本、米国、イスラエル、フランス、エジプトなど、国交のない国は、むしろ極めて少数派です。
清野:英国、ドイツ、カナダ、オーストラリアといった有力な国、それから中東、東アジアのほぼ全域と国交がある。「北朝鮮は世界の中で一人淋しく孤立している」というイメージが大きく崩れました。
手嶋:日本では、足元の東アジアの「今」をきちんと教える教育――この連載流にいうと「直近・現代史教育」がなされていないことの証左ですね。
清野:そんな素人の私でも、超軍事大国である米国が中東にかまけているうちに、東アジアに不穏な動きが勃発しかねない、ということぐらいはわかります。
手嶋:国家という巨大な組織は、外交機能や情報機能を備えていながら、存外、危機対応は十分でないことも現実です。そして、当時の大統領であったバラク・オバマは東アジアの戦略的空白を放置し、何もしない言い訳を「戦略的忍耐」などと言葉でごまかしていたのです。