「日本の未来を考える勉強会」ーよくわかるMMT(現代貨幣理論)解説ー平成31年4月22日 講師 中野 剛志氏現代貨幣理論 (げんだいかへいりろん、英語: Modern Monetary Theory、略称はMMT)
現代経済の貨幣が借用書により成立していることを捉え、政府は税収に制約される必要はなく、任意の自国通貨建て国債発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を行うことを理論的主柱とする経済理論である。ステファニー・ケルトンなどによって提唱された。
これまでの多くの経済理論では、「政府の財政赤字が拡大すれば同時に金利上昇と景気悪化を招く」とし、「政府の国債発行の拡大は望ましくない」とした財政均衡主義が主張されてきた。一方でMMTでは「財政赤字拡大では景気悪化を招くとは限らずマネーサプライ増加によるインフレ圧力がかかるのみ」としており、この対立から多くの議論を呼んでいる。また、「政府は将来の支払いに対して非制限的な支払い能力を有している」として、「政府の債務超過による破綻は起こりえない」とし、「赤字国債発行の限度はインフレ率によって示される」としている。ただし、支持者からも、「全ての国家で通用する理論ではなく、基軸通貨国又は政府の借金(国債)の外国人保有率や外貨通貨建てのモノの割合が低く、自国民が国債のほとんどを保有している国でしか通用しない」との立場を取る支持者もいる。