高校講座 宇宙物理11 錬金術と核変換錬金術(れんきんじゅつ、亜: خيمياء 羅: alchemia, alchimia 英: alchemy)とは、最も狭義には、化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みのこと。広義では、金属に限らず様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象として、それらをより完全な存在に錬成する試みを指す。
古代ギリシアのアリストテレスらは、万物は火、気、水、土の四大元素から構成されていると考えた。ここから卑金属を黄金に変成させようとする「錬金術」が生まれる。錬金術はヘレニズム文化の中心であった紀元前のエジプトのアレクサンドリアからイスラム世界に伝わり発展。12世紀にはイスラム錬金術がラテン語訳されてヨーロッパでさかんに研究されるようになった。
17世紀後半になると錬金術師でもあった化学者のロバート・ボイルが四大元素説を否定、アントワーヌ・ラヴォアジェが著書で33の元素や「質量保存の法則」を発表するに至り、錬金術は近代化学へと変貌した。