なんとも妙ちきりんなタイトルです。ほかにも邦題は「ブードゥリアン」「生と死の間」などと呼ばれたこともあったようですが、原題は「I Walked with a Zombie」なので結構忠実な訳です。RKOのヴァル・リュートン製作ホラーの一本ですが、この作品の評価の高さはハンパない。文芸大作「ジェーン・エア」を意識したとあって、格調高い文芸ドラマが描かれています。最近のゾンビものに見られるゴア、スプラッタ表現は一切ありませんので、そういうゾンビを期待されるご仁には物足りないというか、はっきり云って見当違いでしょうが、あぁ、ゾンビって、こんな風に扱われると・・・と再認識させられるでしょう。
ユニバーサルのドラキュラ3作目、原題は「Son of Dracula」です。「外人部隊」の巨匠ロバート・シオドマクのデビュー作ですが、ぶっちゃけものすごく評判の悪いドラキュラ映画。ストーリーは置いといてもロン・チェイニー .Jrの演じる伯爵が、おっさん臭くてベラ・ルゴシのような優雅さや、次にドラキュラを演じるジョン・キャラダインのような幽玄さもないとケチョンケチョンに叩かれています。いや、普通にがんばってると思うんですけどね。さておき、ここに登場する伯爵はドラキュラではなく、アルカードと名乗っています。そう、これは有名なアナグラムで“Dracula”を逆に綴った名前“Alucard”になっており、後年様々な創作物に登場しますが、この作品が原点です。